「社員の満足度を上げたい」「採用で他社に差をつけたい」 そんな経営者の方にぜひ検討していただきたいのが「借上げ社宅制度」です。
多くの企業で導入されている「住宅手当」ですが、実は税務面で見ると「借上げ社宅」の方が、会社・従業員双方にとってメリットが非常に大きいことをご存知でしょうか?
今回は、意外と知らない社宅制度の基本と、驚きの節税効果について解説します。
1. なぜ「住宅手当」はもったいないのか?
結論から言うと、住宅手当は「給与」と同じ扱いだからです。
- 従業員: 受け取った手当に所得税・住民税がかかり、手取りが減る。
- 会社: 支給額に応じて社会保険料の負担が増える。
一方、会社が物件を契約して貸し出す「借上げ社宅」なら、一定のルールを守ることで、この税金や社会保険料の負担をグッと抑えることができます。
2. 「家賃1万円以下」もあり得る?驚きの計算ルール
社宅制度の最大のポイントは、従業員から受け取る家賃(賃貸料相当額)の計算方法にあります。
通常、従業員から「賃貸料相当額」の50%以上を受け取っていれば、給与として課税されません。そして、この「賃貸料相当額」の計算には昭和26年の古い基準が使われているため、実際の相場より格段に安くなるのです。
【シミュレーション】
例えば、月額70,000円の一般的な賃貸マンションの場合…… 税法上の計算式(固定資産税評価額などを基に計算)を当てはめると、評価上の家賃が約10,000円程度になることが珍しくありません。
この場合の結果: 会社が従業員から5,000円(評価額の50%)だけ徴収すれば、残りの65,000円分は「非課税」扱いに!従業員は実質5,000円で7万円の物件に住めることになります。
3. 住宅手当 vs 借上げ社宅:手取り額の差は歴然!
「会社が月6.5万円サポートする」という条件で比較してみましょう。
| 項目 | 住宅手当(6.5万円支給) | 借上げ社宅(自己負担5千円) |
|---|---|---|
| 税金(所得税等) | 約1.3万円引かれる | 0円(非課税) |
| 従業員の実質負担 | 約1.8万円 | 0.5万円 |
| 年間メリット | – | 約15.6万円お得! |
従業員からすれば、年間の可処分所得が15万円以上も増える計算です。これは実質的な「ベースアップ」と同じ効果を生みます。
4. 会社側のメリットも盛りだくさん
メリットは従業員だけではありません。会社側にとっても以下の費用を「損金(経費)」として処理できます。
- 物件の敷金・礼金・仲介手数料
- 転勤に伴う引越費用
- 社会保険料の負担軽減(※給与額面が抑えられるため)
まとめ:賢い福利厚生で「選ばれる企業」へ
借上げ社宅制度は、会社側の持ち出しを増やさずに、従業員の手取りを最大化できる非常に効率の良い制度です。特に「新卒採用」や「優秀な人材の確保」を目指す企業にとっては、強力な武器になるでしょう。
「うちはずっと住宅手当だったけれど、見直してみようかな」と思われたら、ぜひ一度シミュレーションしてみることをお勧めします。


