【確定申告の実務ポイント】
令和7年分から変わる!
基礎控除の見直し・特定親族特別控除の新設
1.はじめに(令和7年分確定申告の概要)
令和7年分(2025年分)の確定申告は、
令和8年2月16日から3月16日まで行われます。
還付申告については、2月13日以前でも提出が可能です。
また、e-Taxを利用する場合は、
令和8年1月5日から3月16日まで、
原則24時間申告書の送信が可能となっています
(※システムメンテナンス時間を除く)。
今回から数回に分けて、
令和7年分の確定申告に影響する実務上のポイントを
わかりやすく解説していきます。
2.令和7年分からの主な税制改正ポイント
令和7年度税制改正では、
物価上昇や働き方の変化を踏まえ、
所得税に関する重要な見直しが行われました。
特に、確定申告や年末調整に影響する主な改正は、
次の4点です。
- 基礎控除の見直し
- 給与所得控除の見直し
- 特定親族特別控除の新設
- 扶養親族・配偶者の所得要件の引上げ
これらはいずれも
令和7年分の所得税から適用されます。
3.基礎控除の見直しとは
基礎控除とは、
すべての納税者が無条件で受けられる所得控除です。
今回の改正により、
合計所得金額が2,350万円以下の方については、
令和6年分に比べて基礎控除額が引き上げられました。
| 所得者本人の合計所得金額 | 令和6年分 (2024年) | 令和7年分 (2025年) |
| 132万円以下 | 48万円 | 95万円 (※) |
| 132万円超 336万円以下 | 48万円 | 88万円 (※) |
| 336万円超 489万円以下 | 48万円 | 68万円 (※) |
| 489万円超 655万円以下 | 48万円 | 63万円 (※) |
| 655万円超 2,350万円以下 | 48万円 | 58万円 |
👉 同じ収入・同じ家族構成であっても、
令和7年分の方が税負担が軽くなるケースがあります。
これは、物価上昇による実質的な税負担増を
調整する目的で行われた改正です。
4.特定親族特別控除の新設とは
今回の改正の中でも、
特に影響が大きいのが
**「特定親族特別控除」**の新設です。
| 親族の合計所得金額 | 令和6年分 (2024年) | 令和7年分 (2025年) |
| 48万円以下 | 扶養控除 | 扶養控除 |
| 48万円超 58万円以下 | - | 扶養控除 (※) |
| 58万円超 123万円以下 | - | 特定親族特別控除 |
| 123万円超 | - | - |
(※) 扶養親族の所得要件が48万円以下(令和6年分)から58万円以下(令和7年分)に改正されたことによる
対象となる親族
次の条件を満たす親族がいる場合、
その親(納税者)は新たな所得控除を受けられます。
- 年齢:19歳以上23歳未満(大学生年代)
- 合計所得金額:58万円超~123万円以下
- 配偶者、青色事業専従者は除外
これまで、
「子どもがアルバイトを頑張ると扶養から外れる」
というケースが多くありましたが、
その空白を埋めるために設けられた制度です。
5.扶養控除との関係(考え方)
- 親族の所得が 58万円以下
→ 従来どおり「扶養控除」 - 親族の所得が 58万円超~123万円以下
→ 新しく「特定親族特別控除」
👉 子どもは働きやすくなり、
👉 親の税負担も急に増えにくくなります。
6.特定親族特別控除の注意点
実務上、次の点には特に注意が必要です。
- 同じ親族について
複数の人が同時に控除を受けることは不可 - 配偶者特別控除との重複適用は不可
- 親族同士で相互に控除を使うことも不可
👉 誰が控除を適用するのか、
事前に家族内で整理しておくことが重要です。
7.扶養親族・配偶者の所得要件の引上げ
今回の改正では、
扶養親族や同一生計配偶者についても、
所得要件が引き上げられています。
これにより、
パート・アルバイト収入が増えても、
控除が使える範囲が広がっています。
8.確定申告・年末調整の実務上の注意点
- 前年と同じ感覚で処理すると誤りやすい
- 年齢要件・所得要件の両方を必ず確認
- 大学生年代の子がいる家庭は特に要注意
👉 令和7年分からは、
「家族構成」と「子どもの収入状況」が重要になります。
9.まとめ
- 基礎控除の見直しで税負担が緩和
- 大学生年代の子がいる家庭は新制度の対象に
- 確定申告・年末調整ともに影響が大きい改正
令和7年分の申告では、
これまで以上に制度の確認が重要です。


