【令和8年度 税制改正大綱】実務への影響と対策のポイント

令和7年12月19日に公表された「令和8年度税制改正大綱」は、デジタル化への完全移行、賃上げによる経済成長の維持、そしてインボイス制度の定着に向けた重要な節目となる内容です。

本稿では、個人事業主から法人まで、実務上特に注意すべき3つの主要改正について詳しく解説いたします。

青色申告特別控除の見直し(令和9年分~)

今回の改正では、帳簿のデジタル化状況によって控除額が10万円から75万円まで大きく変動する仕組みが導入されます。

改正後の控除額と要件

簡易簿記の制限:前々年の収入が1,000万円を超える方は、簡易簿記による10万円控除の対象から除外されます。

75万円控除(新設):e-Tax申告に加え、優良な電子帳簿保存(訂正削除履歴の確保)や請求書データとの自動連携が必要です。

65万円控除:期限内にe-Taxを使用して申告を行う必要があります。

10万円控除:**書面提出(紙の申告)**の場合や、期限後申告の場合は、一律でこの金額まで減額されます。

賃上げ促進税制の抜本的見直し(令和8年度~)

賃上げが社会的に定着したことを背景に、税制によるインセンティブが整理・縮小されます。

要件の厳格化:中堅企業においては、適用要件となる給与増加率が「3%」から「4%」へ引き上げられます。

全法人(大企業等)向け措置:令和8年3月31日をもって早期廃止されます。

中堅・中小企業向け措置:教育訓練費の増加に伴う上乗せ控除が廃止されます。

インボイス制度・経過措置の延長と変更

インボイス開始後の小規模事業者の負担に配慮し、激変緩和措置がさらに手厚くなります。

個人事業主向け「3割特例」の新設

現在、売上税額の2割を納める「2割特例」が適用されていますが、令和9年・10年については新たに**「3割特例」**が設けられ、急激な負担増が抑えられます。

免税事業者からの仕入れ(80%・50%控除)の延長

本来、令和8年10月に控除率が50%へ下がる予定でしたが、2年延長された上で段階的に緩和されます。

適用期間改正後の控除割合
令和8年10月1日 ~ 令和10年9月30日70%
令和10年10月1日 ~ 令和12年9月30日50%
令和12年10月1日 ~ 令和13年9月30日30%

当事務所からのアドバイス・今後の対策

本改正により、**「デジタル化への対応」**が節税の鍵となることが鮮明になりました。

  • e-Taxへの完全移行:書面申告を続けている方は、早急にe-Tax申告への切り替えを検討してください。
  • 会計ソフトの選定:75万円控除を狙うための「優良電子帳簿」対応ソフトの導入をサポートいたします。
  • 賃上げ・インボイスの再検討:税額控除の廃止や経過措置の変更を踏まえ、次年度以降の資金繰り計画を再確認しましょう。

当事務所では、今回の改正が貴社にどのような具体的影響を与えるか、個別シミュレーションを実施しております。詳細についてはお気軽に担当者までお問い合わせください。

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