令4年11月18日 千葉地裁 棄却・確定
被相続人丙は、個人事業者であった昭和58年12月に小規模企業共済契約を締結し、その後平成19年3月30日に事業を廃止したものの、共済掛金は丙が死亡した平成27年3月×日を過ぎた平成27年12月まで丙名義の預金口座から引き落とされていました。
相続人は、平成30年9月26日に機構に対して共済金の請求事由を「個人事業の廃止」、請求事由発生日を「平成19年3月30日」とし、受給権者亡丙の権利義務を相続することになったとして、本件共済契約に係る共済金及び本件過納掛金の支払を請求しました。
この共済金返還請求権及び過納掛金の返還請求権は相続財産ではないとして相続税の修正申告をしましたが、処分行政庁から、上記各請求権は亡丙の相続財産であるとして、それぞれ更正等の賦課決定を受けたことから、その取消しを求める事案です。
裁判所は次のように判示し、原告の主張を棄却しました。
原告らは、本件共済金は亡丙に係る退職手当金等としての性質を有するところ、本件共済金の支払決定日は相続の開始日である平成27年3月×日の3年経過後の平成30年10月19日であり、本件共済金は、亡丙の死亡後3年以内に支給が確定したものでないから、みなし相続財産でないと主張する。しかし、相続税が課されたのは、本件共済金請求権であって本件共済金でない。本件共済金請求権は、相続税法3条に規定するみなし相続財産として相続税が課されたものでなく、同法2条に規定する本来の相続財産として相続税が課されたものである。